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掲載記事索引

市民ライターどんどん
地球を見つめて〜なんちゃって
       ……かざりえみこ
コラム ★ライターズ・バトル★
    《おれのコラムが面白い!》
新登場! テーマ・コラム
    《ライター各様書き比べ》
脱サラ議員奮闘記
  …山根一男(可児市議会議員)
関西弁だば、まんづ わがんね
       ……秋田おばこ
市民ライターのキモ
         その真実と技術
       ……吐山継彦
ライティング情報あれこれ
◇参加レポート「行ってきました」
◇三反農家の米作りノート
          ……平田泰史
◇わが町中津を語る
          ……霊崎(たまさき)
◇お薦めメルマガ勝手に紹介
◇お薦めのこの一本
◇ショートコラム
       この○○を誉めよ!

◇講座そのほか情報
(以下はいまなお工事中です)
◇投稿
◇編集後記
バックナンバー
24号(05. 9.20配信)
23号(05. 8.20配信)
22号(05. 7.20配信)
21号(05. 6.20配信)
20号(05. 5.20配信)
19号(05. 4.20配信)
18号(05. 3.20配信)
17号(05. 2.20配信)
16号(05. 1.21配信)
15号(04.12.20配信)
14号(04.11.20配信)
13号(04.10.20配信)
12号(04. 9.20配信)
11号(04. 8.20配信)
10号(04. 7.20配信)
9号(04. 6.20配信)
8号(04. 5.20配信)
7号(04. 4.20配信)
6号(04. 3.20配信)
5号(04. 2.20配信)
4号(04. 1.20配信)
3号(03.12.20配信)
2号(03.11.20配信)
1号(03.10.20配信)
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☆★☆★
★☆★ 書く力、書く参加!
☆★
★          市民ライター通信
☆ 2004.10.20   
------ http://www2.ocn.ne.jp/~mmwriter/ ★ 第13号★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■あなたも市民ライターに!■

市民が社会に向けて情報を発信するには、書くことが不可欠です。
多くの市民活動はそこから始まっています。《書く力》を養い、
《書くことで社会参加する》市民ライターになりませんか。
                  
  ========= 市民ライターのイメージ ==========
       
* 書くことによる社会的な発信が大切だと考えている。
* 心情吐露だけに終わらず“レポート性”のある文章がかける。
* ペンが剣よりも強い世界にしたいと思っている。

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////////////////■□■ も く じ ■□■////////////////

【1】まいど おおきに!
【2】市民ライターどんどん(13)
     特別寄稿「非戦を選ぶ演劇人の会」 関根 信一さん    
【3】地球を見つめて〜なんちゃって(13)
         「塩害の樹木」
【4】脱サラ議員奮闘記(13)……山根一男(可児市議会議員)
【5】《13号の特集は十三(じゅうそう)できまり!》
   寄稿「顔の見えるまちづくり」……南野 佳代子さん      
   テーマ・コラム「十三!」
【6】わが町中津を語る(2) ……霊崎さん
【7】【新連載】公務員になってみて……東牧さん             
【8】三反農家の米作りノート(7)
【9】ドキュメンタリー評「911 In Plane Site」
【10】編集後記

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【1】 ■まいど おおきに!■
 
 インターネットの普及で、こんなに容易に情報を送受信できるようになりま
した。12号でご紹介しましたが、HPに記載している「イラク・ボディ・カ
ウント」が縁で「非戦を選ぶ演劇人の会」の関根信一さんからメッセージを頂
きました。「市民ライターどんどん」ではリーディングという形で平和を訴え
続けている活動について紹介して頂いています。
 さて、今回は13号。やっぱり十三(じゅうそう)しかない!とばかりに、
十三特集を組みました。中津だって黙っちゃいられない?ピエロ・ハーバー
を紹介しちゃう…今、関西が面白い!「いやいや、僕の町だって凄いぞ」とお
っしゃるあなた。是非、負けずにお国自慢聞かせてくださいね。
 「脱サラ議員奮闘記」は、なんと《落選編》!どうなることやら。千葉から
の「公務員になってみて」新連載もあって面白さ満載。ご紹介しきれません。
今回は紙面の都合上、「ライターのキモ」と「関西弁」はお休みです。
  
 読んで、感じて、そして、あなたも発信してください。    
☆書く力を養い、書くことに慣れ、書くことで社会参加していきましょう。
   
みなさまの投稿をお待ちしています。  
    「テーマコラム」14号のテーマは「みかん」
    「この○○を誉めよ!」はいずれも800〜1000字程度   
     (締切15日必着!メールに貼り付け添付でお願いします)
    感想・投稿大歓迎!お待ちしてま〜す。
   ★投稿先  E-mail: mm-writers@abelia.ocn.ne.jp ★   
                      (近藤)
メルマガ「市民プロデューサー通信」の購読もよろしくお願いします。
⇒http://isweb25.infoseek.co.jp/business/capnews/index.html

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■【2】市民ライターどんどん(13)             ☆彡
□                          ★彡
■     特別寄稿「非戦を選ぶ演劇人の会」から   
□               関根 信一 さん  ★彡☆彡 
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《市民ライター通信・読者の皆様へ》

 はじめまして。「非戦を選ぶ演劇人の会」の実行委員をしています関根信一
です。
 8月15日に、紀伊國屋サザンシアターで行ったピース・リーディング「あ
きらめない夏2004」の第三部「イラクからの声」で、「市民ライター通信」H
Pから「イラク・ボディ・カウント」についての言葉を引用させていただき
ました。
 「非戦を選ぶ演劇人の会」は昨年の1月から「リーディング」という演劇人
ならではの取り組み方で平和をアピールしてきました。これまでの台本は、全
国で誰もがリーディングを行えるようホームページで公開しています。
 これまで6回のリーディングを行ってきて思うのは、演劇というもののもつ
強さとしなやかさです。
 戦争による悲惨な現実はさまざまな形でレポートされていて、私たちはそれ
を読むことができます。

 リーディングというのは、その言葉を俳優が立ち上げるということにほかな
りません。両親を失った悲しみを訴える少女として語るかと思えば、またある
ときは、戦争がなぜ起こったのかという背景を冷静に語ることも可能です。
 「戦争反対」とひとことで言えばすむメッセージを具体的に立ち上げるこ
と、そして、舞台の上でくり広がる言葉を通して、観客はいまここにはなくて
も、世界のどこかで起こっていることに思いをはせることができます。

 「相手の気持になって考える」というのは、子供の頃に誰もが教わる生きて
いく上でのとても大切なことだったはずです。でも、私たちはいつのまにか
「相手の気持になって考える」ことをやめてしまって いるのではないでしょ
うか。それは、人を思いやる心、想像力の欠如なのだと思います。
 演劇は、観客の想像力なくしては成り立たない芸術です。そんな演劇ならで
はが持つ力の強さを、会を重ねるごとに改めて感じています。

 引用させていただいた「イラク・ボディ・カウント」についてのコメント
は、遠いイラクで亡くなった人々のことを忘れずにいたい、考えることをやめ
にしないでいたいという気持に打たれ、台本に取り入れさせていただきまし
た。
 想像して思いやるだけでは、戦争はなくなりません。その次に私たちは何
をしなければいけないのか。そんな問いかけも、忘れずにいたいと思ってい
ます。
 会のこれからの活動は未定ですが、これからも年に何度か、リーディングと
いう形で平和を訴えていく予定です。くわしくは、会のホームページ
http://hisen-engeki.com/ をご覧下さい。     
 
《関根信一さんのプロフィール》
 俳優、演出家、劇作家。1965年生まれで東京は葛飾の出身。
 ゲイをカミングアウトしている劇団「フライングステージ」代表。
 1992年の劇団の旗揚げ以来、ゲイにこだわった演劇活動を続けている。
 ピースリーディングを主催する「非戦を選ぶ演劇人の会」実行委員。
   劇団フライングステージ: http://www.flyingstage.com/
   非戦を選ぶ演劇人の会: http://hisen-engeki.com/

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□                          ☆彡
■【3】 地球を見つめて〜なんちゃって(13)    ☆彡
□                    ★彡   
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            ■ 塩害の樹木 ■

          
今年は台風の当たり年。大変な被害の報道に接するたびに、この怒りや悲し
みをどこに持って行けばいいのかと、天気図をにらみながら考え込んでしまい
ます。
 この9月に、大阪から寝台特急列車に乗って秋田まで行きました。なだらか
な海岸線に沿って北上するうちに夜が明けました。薄明かりの中で海岸沿いの
木々を見て驚きました。
 「塩害」という言葉を聞いてはいましたが、まだ9月というのに、緑に見え
るのは松の木ばかり。広葉樹は、はだか木同然! わずかに残った葉や樹形を
見て、栗、柿、サクラがわかります。海側はみごとに1枚も葉がなく、山側に
はわずかに残ったかな、という木々も多く目に付きました。
 さらに明るくなるに連れ、山側に向いた木には新芽が見えてきました。間も
なく大陸から冷たい北西風が吹く季節がやってくるというのに新芽はないでし
ょう。さらに北に行って、サクラの木に数輪の白い花が咲いているのを何本も
目にしました。

 野原のススキが一面に葉も穂も枯れて真冬の様相のところもありました。
 水田は収穫を前に倒伏し、刈り入れの形跡があるところでも、田んぼの中に
刈らずに捨てられたのでしょうか、灰白色のイネが立っていました。ビニール
ハウスを取り去ったあとの土が生々しく、列車の窓から見えない場所の被害も
容易に想像することができました。

 海水を運ぶ風の吹くにまかせて、人間はただ見ているしかなかったのです。
 B寝台の固いベッド兼座席にじーっと座ったまま、外の景色を見つめるのに
こんなに疲れたこともありません。地球が壊れかけてきているのではないか、
などという人の顔を思い出しながら、都会では見えなかったことを深く考えさ
せられた旅でした。
                         (かざりえみこ)

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□【4】 脱サラ議員奮闘記                ◇◆◇◆◇
■         山根 一男(岐阜県可児市議:47歳)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
              《落選編》          


 2002年10月27日(日)、候補者にとって投票日の朝は独特なものだ。
 選挙運動から開放された安堵感と、大いなる不安。一週間の選挙運動期間を
こなしきった満足感。さまざまな思いが交錯する。

 朝、投票所に行った。何十人もの人が投票に来ている。不思議な感じだ。三
人の中から一人を選ぶという市議会議員の補欠選挙である。多くの見知らぬ市
民がそのためだけに時間を割いて来てくれている。

 もちろん、皆が自分に入れてくれているわけではないのに、とっても感謝し
たい気持ちになった。滑稽なことにその候補者である自分が、そこにいるのに
ほとんどの方は気づいていない。それくらい知名度がないのだ。

 同じ団地内の人でさえ、ほとんど私のことを知らない。30年ほど前から入居
が始まった若葉台という戸数1,200戸程の団地で、私は4年前に越してきたばか
りで、自治会など地縁組織の役などもまったく関わっていなかったのだから。

 ただ、選挙ポスターには自信があった。野外で撮った横長の写真だが、正直
実物以上によく撮れたと思う。カメラマンに感謝である。本人は知らなくとも
ポスターや選挙広報などを通じて私のことを知った方が大半である。

投票日の朝は、戦い済んで……という気分でのどかに過ごしてしまった。た
だ、選挙を最後の最後までやり抜く気なら、まだやれることはある。追い出し
コールと言って○○選挙事務所の者ですが、もう投票には行かれましたか?と
電話するのである。

 もちろん○○に入れてくださいなどと言うと、選挙違反になるが投票に行き
ましょうというだけなら問題にはならない。しかし、そこまでする気力がすで
になかった。この辺りが甘さと言えるかもしれない。昨日の20時で燃え尽きて
しまったようだ。

 当選する自信があるわけではない。さりとて、確実に落選するというほど悲
観的でもない。ただ、やれるだけのことはやったという満足感はあった。もち
ろん、初めての選挙で、しかも補選という極端に投票率の低い選挙である。何
の根拠もない。

 応援してくれた学生たちは、すでに4泊も5泊もしてくれており、それぞれ結
果を待たずに大阪や東京、横浜と帰って行った。本当に強力な助っ人たちであ
った。選挙事務所は、昨日までの賑わいがうそのようにまた静かになっていっ
た。

 そしてついに、午後8時を迎える。投票が終わり、開票作業に入る。普通候
補者は、結果が分かりそうな時間の事務所に現れるものだ。しかし、ここでも
人手がないので候補者自ら、開票速報板などをつくって準備をしていた。

 午後9時を過ぎた頃には何人か、応援してくれた人が集まってくれた。票は
百票単位30分くらいの間隔で発表される。でも1時間もすると自分の票が、ト
ップに比べて伸び悩んでゆくのが分かる。

 そんな時、電話のベルが鳴った。選挙ポスターの掲示責任者なども務めてく
れている若い友人からであった。彼は立会人として市の開票所に居るのであっ
た。開口一番「このたびは…」ということだった。

 ガーン。信じたくないけど落選は確実だという。何か今まで自分を保たせて
きたエネルギーが一気に切れた感じがした。それなりに覚悟していたにもかか
わらず、現実を突きつけられるとショックは隠せない。

 何人かの方たちは、そそくさと席を立って帰って行かれた。残ったのはほん
と身内だけ数人というものだった。その人数では敗戦の弁などもとりたてて必
要がない。これからどうしていこうか…頭がパニックになる。

 結局、私の得票は、4,952票。当選した元政治家秘書は、9,032票。もう一人
の方は3,527票だった。投票率は25.33%だった。完敗である。
                           ………つづく
                     
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★【5】《13号の特集は十三(じゅうそう)できまり!》    ☆★ ☆彡
☆     寄稿「顔の見えるまちづくり」…南野佳代子さん  ☆★☆
★        「大人の町「十三」」 ……十三の隣組   ★☆★☆
☆       「不思議な町・十三」 ……かざり ★彡  ☆★☆★☆
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          ■顔の見えるまちづくり■

   寄稿:コミュニティ企画「ザ・淀川」「ザ・おおさか」
                      編集長 南野佳代子さん

 IT産業の進歩に伴ってインターネットが普及し、大人も子どももほしいと
思う情報はいつでも取り出せるようになりました。情報は山ほどあり、知るこ
とに関しては、とどまる所がないほどの時代です。
 わたし、何でも知ってるよ。では、お隣の子どもさんの名前は?ご近所ので
きごとは?
 みなさん、意外と知らないんですよね。昨今、つらい事件がマスコミをにぎ
わせています。識者の方々が色んな理由を並べ立てていますが、私はひとりひ
とりが、他人のことに無関心すぎるのが大きな原因だと思っています。幼いこ
ろから知ってる子なら、その子が大きくなっても無関心ではいられません。

 私は淀川区でタウン誌を作り続けて23年になります。自転車に乗って十三、
三国、神崎川、塚本、新大阪周辺の町々を走ります。商店街も通ります。特に
十三では道行く人に声を掛け合う関係がまだまだ残っています。
 「元気か?」「こんなんあるでぇ」。つまりは情報交換です。こういう町の
情景を消してはいけない。こんな人間関係をなくしてはいけない。無機質の町
を作ってはいけないと、思います。

 「どんな人が、どこで何をしているんだろう?」「市民の力で復活した十三
の第七藝術劇場へ来てね」「ワクワクする時間を共有しませんか?」。そんな
思いで、淀川右岸沿いの淀川区、東淀川区、西淀川区を結ぶNPO法人淀川ア
ートネットを設立。11月13日(土)・14日(日)の両日、第七藝術劇場がある
十三のサンポードビル4階を主会場にして、NPOの誕生を祝う「淀川アート
見本市」を開くことになりました。

 街道筋、川筋に位置することもあって、十三は昔からにぎわってきた所で
す。淀川の渡しも有名です。今は国道176号線や幹線道路が縦横に町を貫き、
阪急電車の重要な乗換駅でもあります。交通が便利なだけに、子ども向けには
各種の学習塾があり、大人向けには歓楽街、飲食店が軒を連ね、大規模な商店
街、各種企業などがあります。また多くの優れた人材を輩出している北野高校
があり、博愛社、ミード社会館などの社会福祉事業の分野では日本屈指の施設
もあります。ゴチャゴチャしているという見方もありますが、これは即マイナ
スのイメージに結び付くでしょうか?色々あるからいいんじゃないの、多彩な
文化が共存している、とプラスに考えてみませんか?

 大阪24区、それぞれに個性があり、今、いずれの区も独自のまちづくりのプ
ランを策定中です。市民と行政の協働が実績をあげている淀川区では、「顔の
見えるまちづくり」が好調に滑り出すことでしょう。私はこれからも「できる
だけ多くの人の顔が載る」タウン誌を作りながら、情報を発信し、収集し、感
動を分かち合う働きかけをしていきます。十三が好きな方も、十三で降りたこ
とがない方も、まずはこの秋に、十三と新鮮な出会いをしませんか?

          
          ■ 大人の町「十三」■          
                         ☆十三の隣組☆

 「十三」と書いて「じゅうそう」と読む。関西の人間には当たり前だが、よ
その人たちにとってはまず無理な読み方である。この町は、大阪市内ではある
が、阪急電車で淀川を渡らなければならないから、町外れ的な感じがある。猥
雑な町というのが一般的なイメージではないだろうか。十三駅周辺は、飲み屋
街、商店街、風俗街の集合体で、芦屋や帝塚山とは正反対の、まさに庶民の町
という感じがする所である。新世界とミナミの合わさったような感じ、と言え
るかもしれない。ところが最近、どうもこの町がとても文化的な香りを漂わせ
ているようだ。

 あの有名な映画館、通称“七芸”こと「第七芸術劇場」。ここは風俗店の居
並ぶ一角にありながら、第三世界の映画や、かつてのアートシアター系の映画
など、あまり商業的には儲かりそうもない映画を掛けている。また、この町の
大人たちにはたくさんおもしろい人たちがいる。例えば、次のコピーを見てい
ただきたい。

「ジャズを聞き! お風呂に入り! ビールを一杯! いかがでしょうか!」

 これは十三の大人たちがやっている「銭湯ジャズ」という催しの惹句であ
る。銭湯の脱衣場でジャズ演奏を聴き、スウィングして汗をかいたら、湯船に
浸かり、生ビールをグイッと一杯やる。なんとも楽しそうな催しではないか。

 また一時期、十三の中学校がとても荒れた時代があった。窓ガラスが割ら
れ、校内暴力も多発、というとき、十三の大人たちはそれを見過ごさなかっ
た。地元在住の校医さんが中心になって、近所のさまざまな大人たちを中学校
に送り込んだのである。そして大人たちは、自分たちの仕事について中学生た
ちに語ったのだ。それから、徐々に“荒れ”は沈静化していったという。

 十三とはそういう町だ。取り立てて大富豪や大学者がいるわけでもなく、フ
ツーの市民(大人)たちが、楽しみながら自分たちの責任を果たしている。
「市民社会」とか「市民自治」とか、そんな大げさな言葉ではなく、生きてい
ることを楽しみ、その邪魔となるものに対しては敢然と立ち向かう。そういう
町衆がたくさんいる、本当の意味で大人の町なのだ。

                           
           ■不思議な町・十三■
                         ☆ かざり ☆

 十三のとなり町に住むことが決まったとき、つまり今から30年ばかり前の
こと。会社の同僚たちは「何でそんなところに住むねん」と口をそろえて言い
ました。田舎から出てきて間がない私には、十三がどんなところかまったくわ
かりませんでしたから。
 結婚して、一緒に住んだ夫の母は「その用事、十三やったらウチが行く」と
言って私を止めました。区役所、保健所、電話局、などの“役所”は、たいが
い十三にありました。
 まもなく夫の母は名前を変えて仏壇の中に入ってしまいました。私が幼い子
どもと新設の図書館に通い始めた頃には、物珍しくてついでにまち巡りをして
歩いたものです。図書館は、いくつものきらびやかなホテルのむこう。夕方、
電車の窓から橋のむこうに見えるホテル群は、図書館のあたりです。「あんな
ホテルにいっぺん泊まりたいなー」あこがれるような声で、彼は何度つぶやい
ていたことか。

 藤田まことが「十三のね〜ちゃんー♪」の歌をはやらせた時はほんとうにイ
ヤでした。せっかくいいイメージになりかけていた私の十三が、またグ〜ンと
後退。ヤクザの抗争による発砲事件があったりすると、ますます足も遠のきま
した。

 でも、人間て変わるものですね。
 この10年、多くの人たちと関わっているうちに十三を避けてる場合ではな
くなってきたんです。好き嫌いなんてエエカゲンなもんですね。親しくなると
「好き」に変わるのは人も街も同じ!「ヤヤコシイ街」が「たのしい街」にな
るんです。私自身、気が付くとよその人に一生懸命になって十三の良さを宣伝
する側に立っていました。誰かに出会える、何かに出会える、「エエトコ」な
んですよ。
 見ているだけでは絶対わからないでしょう。いろんなものが溢れていて、活
気に満ちている十三に来て、人とふれあってみてください。「顔の見えるま
ち」づくりに真剣に取り組んでいるすばらしい人たちがいっぱいいるんですか
ら。そして、ぜひ、声をかけてください。オモロイことが始まろうとしていま
すから。 

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□ 
■ 【6】 わが町中津を語る(2)      ☆彡     
□           霊崎(タマサキ)さん  ★彡☆彡
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ■今、中津(大阪市 北区)が面白い!“ピエロハーバー”■


今回は「通り過ぎる町」「開発の手垢のついていない町」「八百八ガードの
町」中津に新しい動きが起こってきたお話です。

 昨年7月半ばのことです。会社から自転車で帰宅途中いつものように自宅近
くの中津のガードの下を通りかかると、倉庫の事務所の入口の壁面に大きなピ
エロの絵が描かれているのが目につきました。最近多い落書きにしてはうます
ぎるので怪訝に思いながら前を通過していました。

 発見してから3日目位だったでしょうか、通りかかると突然事務所のドアが
あき、中からサングラスをかけた大男がヌット現れました。
 私はとっさに、近くの住民であることを伝え、「壁にピエロの絵が描いてあ
るけど何かしはるんですか?」と問いかけました。するとその大男は「ピエロ
ハーバーを来年立ち上げます」、「それは一体何ですねん」、「芸術のインキ
ュベーションです」というふうなやりとりの中でどうやら元倉庫だった空きス
ペースを利用して、演劇・アート・音楽を志す若者がたくさん集まってくる芸
術村にしたいということらしいと察しがつきました。

 家へ帰って辞書をひいて「インキュベーション」という言葉を引いてみると
「孵化器」という意味でした。なるほど集まってきた若い芸術家の卵達を孵化
させる場所ということらしい。これは面白いことが起きそうだと、ヒマをみつ
けては事務所を訪ね話を伺いました。
 大男の名は“仲 風見”さん、雑貨団というアングラ系の劇団の主催者、演
出・脚本もすべてこなし劇団員の尊敬を一身に集めるカリスマ的な存在、イベ
ント会社・貿易会社の社長の顔も持っているマルチ人間。
 これまで数々の町おこしにも関わってきた豊富な経験もあり、どんな話題で
も実体験に基づく凄味のある話が頭の中に一杯ある引出しから次々と溢れるよ
うに出てきます。

 もと倉庫だったガード下の空間は、国道176号線の下の400坪の広大な敷
地、奥深く天井が高く灰色の薄汚れたコンクリート剥き出し、まるで前人未
踏の大洞窟を探検するような感があり、ワクワクするようなスペースでした。
 そのピエロハーバーがさまざまな困難を乗越え、大阪府の助成や大阪市の高
架下のメンテナンス工事等の支援も受けることができ1年数ヶ月の準備期間を
経て先日10月12日にいよいよ開港しました。

 大きな入り口から入ると、右側にはライブが出来るステージを備えたオープ
ンカフェ、劇団員の若い青年達が運営しており、無国籍料理やビールやウィス
キー、カクテル等豊富なメニューもたのしめます。奥には劇場ができ、10月
20日から始まるこけら落としの公演へむけて劇団員達の猛練習が始まってい
ます。コンクリート剥き出しの壁には絵の好きな若者達が描いたさまざまな壁
画が満ち溢れ、所々に大きなチャップリンの絵や風と共に去りぬのクラーク・
ゲーブルとビビアン・リーの有名なワンシーンも描かれています。左側のスペ
ースには今後フリーマーケットのようなショップの出店も計画されています。

 倉庫がピエロハーバーという異空間に生まれ変わりました。
 私もこの間地域住民の一人として応援してきました。期せずしてNHKの取
材でコメントを求められ関西版のニュースで放映されるなど楽しい思い出を作
って頂きました。皆さんピエロハーバーへ是非一度お越しください。
                              …つづく
★ピエロハーバーの連絡先⇒ 06-6451-7780           
                                   
 
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□   NEW!                          ★彡
■【7】 公務員になってみた (1)            ☆彡
□                     東牧陽子  ★彡☆★
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

          ■ 1. ことのはじまり ■ 

                        
 大阪のNPOの職員であった私がなぜに千葉県庁の職員になったのか? 
 ことのはじまりは、某NPOセンターのメーリングリストの投稿を見たこと。
堂本暁子氏が選挙に勝って千葉県知事に就任したのが、2001年の春。ご存知の
とおり、堂本さんと言えば参議院議員時代に特定非営利活動促進法(通称NPO
法)の成立に尽力した人だが、就任当時の千葉県は決してNPOの活動が活発な
ところではなかった。2001年の時点でも、都道府県がNPOに事業を委託するこ
とは決して珍しくはなく、就任直後のある集会で、「47都道府県の中で委託契
約をNPOと結んでいないのは、3つしかないんですよ。その一つが千葉県なんで
す」と参加者から直訴された堂本知事は愕然とすることになる。

 堂本知事にとってはNPO法は我が子のようなもの。知事が政策として「NPO立
県千葉」を掲げたのは当然といえよう。その後、がんがんと千葉県は先駆的な
政策を展開し、その延長線で「NPO実務経験者を二年間の任期つき職員として
採用する」ことにした。

 で、やっと話が最初に戻るのだが、その募集を知り、応募し採用されたのが
私ということである。

 NPOの世界しか知らない民間人(行政の人間は、行政以外の人間をこう呼
ぶ)が、役人になって何をどう感じ、どう考えたか、民間人から見た役所とい
うところがいったいどういうところであるかを伝えたいと思う。
                           (つづく)

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■【8】 三反農家の米作りノート(7)       ◇◆◇◆◇
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      (7) 三反農家の採算

 10月に入って夜には肌寒さを感じるようになると、ぽつぽつと新米の予約の
電話が入ってくる。この時期に予約をくれる人は、30kg入りの玄米を10袋と
か、5袋とか、まとめ買いして納戸に保管し、わが家の米は○○さんの米と決
めてくれている人たち。なにしろ全生産量が50袋ほどなので、そう何家族にも
供給できない。去年買ってくれている人を優先して毎年30袋ほどを玄米で販売
し、残りは精米して10kg単位で知人・友人に販売する。

 予約の電話があると嬉しい。今年作った米が売れたことが嬉しいというより
は、去年の米に満足して、今年もまた注文をくれたことが嬉しい。

 全生産量が玄米50袋といっても農家以外の読者にはピンとこないと思うの
で、米特有の単位をまず紹介したい。米の計量単位は「合<升<斗<石」と
十進法になっていて、液体であれば一升瓶は約1.8リットルの容量単位だが、
米は今は一升1.5kgの重量単位、すなわち一石は150kg。そこに一俵=4斗=
60kgという米の流通単位が加わり、米価16,000円とかの値決めは一俵=4斗が
基本単位になっている。 50袋の玄米は1,500kg=25俵=10石の生産量にあた
る。

 最近の新聞記事で、日本人の米の消費量が一人あたり年一俵を割り込んだこ
とが話題になったが、従来は一石=成人一人と考えられていた。例えば、加賀
100万石は100万人を養える域内生産量で、米の生産量で150kg/石×100万=15
万トン。学校の歴史で習った税率「4公6民」で計算すると、15万トンにわが
家の売値9,000円/30kgを掛けて、その4割の180億円が租税収入となり、年間
予算が180億円の地方政権となる。

 ついでながら、映画「たそがれ清兵衛」の主人公 井口清兵衛の禄高は50石
とかだったので、50石×150kg×9,000円/30kg×40%で給与所得90万円の地方
公務員。後添いの妻朋恵の実家は500石(900万円)。浅田次郎の小説「壬生義
士伝」の主人公 吉村貫一郎に至っては、南部藩時代の給金は二駄二人扶持で
14俵と紹介されていた。14俵×60kg×9,000円/30kgで、年収なんと252,000円
也!これでは脱藩もやむを得ない。

 物価レベルや度量衡の違い、複雑な産業構造も無視した、かなり乱暴な計算
だが、目安にしておくと時代劇もまた別のおもしろさを発見できる。

 さて本題の三反農家の採算だが、昨年の収支はだいたいこんな感じだった。

収入:
 米売却    45万円
支出:
 租税公課    2万円
 水稲苗   4万円
 肥料農薬  2万円
 動力燃料  1万円
 農具等   2万円
 修繕費   9万円
 減価償却  25万円
収入−支出:   0円

 わたしの場合は、ほとんど減価償却を終えた古い農業機械を使っているの
で、無給・無賃の労働で終わるが、新しい機械を買ったりすると完璧な赤字に
なる。近所の農家も耕作面積が1ha(一町=10反)以下ならだいたいが同じよ
うな状況で、機械の購入と修繕費が収入を上回り、わざわざお金を払って米作
りをしているとも言えなくもない。

 このままでは通勤電車から見える都市近郊の水田は、世代の交代に伴い、か
なり早い時期に消滅する。この辺をもうちょっと考察したいが、今回は度量衡
の解説が横道にそれて字数をつかってしまったので、続きは次回としたい。

                    (10月18日 平田)

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□ 【9】ドキュメンタリー評          
■      『911 In Plane Site』          ◇◆◇◆◇
□           (Dave vonKleist 制作/アメリカ/2004)
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  ■9・11は世界を変えた。このビデオは9・11を変える?■
               
                             本河 知明

 隠そうとすると、それを見たくなるのが人情ってもんじゃございません?

 この作品に記録されているのは、テレビで一回放映されたきり二度と放映さ
れなかった映像と写真の数々。使用されている映像は、2001年9月11日
に起こった出来事を報道した米国の大手テレビ局のものである。本作品を制作
するにあたってテレビ局と交渉したが、ほとんどの場合その使用許可を得るこ
とができなかったという。

 うーん、怪しい。。。

 これらの映像は、数多くの「疑問」を投げかける。正直なところ、私には腑
に落ちないものを感じる「疑問」もある。しかし、ペンタゴン(米国防総省)
に激突したとされる旅客機についての「疑問」には激しく同感できた。制作者
の「疑問」とは、たとえばこんな感じだ。

●わずか16フィートの穴に、44フィートの高さの飛行機がどうやって入り
込めるのか?

●激突直後の証拠写真には、ペンタゴンの芝生に機体の残骸がまったくないの
は何故か?

 いずれも映像や写真から誰でもが思いつきそうな常識的な範囲の「疑問」ば
かりだ。

 制作者のデーヴ氏が本作品を作ろうと思ったきっかけは、ペンタゴンに激突
したのは旅客機ではないと主張しているサイトhttp://www.letsroll911.org/
だったという。「そんなバカなことがあるはずがない」と思い、雑誌やDVD
を片っ端から買ってみて、ペンタゴンに激突した飛行機の映像を探した。しか
し、一枚も見当たらなかった…。

 本作品はただただ「疑問」を投げかける。その「答え」がほしい。それだけ
だ。

 9・11は世界を変えた。このビデオは9・11を変えるかもしれない。

公式サイト(英語) http://www.911inplanesite.com/
日本語公式サイト http://www.wa3w.com/911/

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★【10】 編集後記                     ★☆★
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 「撃たないで!ぼうやを助けて!」山にはどんぐりひとつありません。里に
は食べものがある。「ママ〜お腹がすいたよ」「何か食べたいよ〜」泣きじゃ
くるこぐまを連れて、切羽詰って山から下りてきたところでした。お腹がすい
てくまの親子はもう一歩も歩けません。撃たれて死んでいきました。芋ひとつ
たべることもなく。
 山にどんぐりや芋を届けることはできないのでしょうか。災害に弱い山にし
たのはだれ?、ここまで自然のバランスを崩したのはだれ?救援物資を届けよ
う。山に食べものがあれば、里には来ないで冬眠する。それなのに殺さなくち
ゃならないのだろうか。
「助けてくれないの?そんなら、ぼくは、もう君たちとはあそばない。」
                       (くまのプーさん)   
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