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大阪市福祉教育語りの会 山本 美恵子 (1)
                                

                                   2009年5月20日
やさしい手 そして 出合い

私の乳幼児期は食糧難、医師不足などと時代も悪く、色々な感染症にかかりました。その中でも4歳の時にかかった急性腎炎の後、突然ほとんどの視覚を失いました。さいわい単独で行動できる程度の視力はまだ残っていましたから、近所の小学校に入学はしたものの、文字が見えない、周りの人の細かい動きも見えないという私の異常を、両親はその時はじめて気づいたのです。

手術を受けましたがそのかいもなく視力は徐々に失われていき、28歳で完全失明しました。単独での行動の自由は奪われました。結婚していましたので、家に引きこもっていた私の気持ちを外に向けてくれたのは、やはり子供の誕生でした。子どものためにおいしくて栄養価の高い料理を作りたい、手作りのセーターを編みたいと、わたしの気持ちは講習会を受けたい一心で外に向いていき、やがて白杖を使っての単独歩行に挑戦することとなりました。

最初は家の周りを、近くの郵便局へ、そして最寄りの駅までと日に日にその距離は伸びていきました。ひとりで電車に乗れたときの感動は今思い出しても胸がわくわくします。ただし、ひとりで歩けるといっても白杖歩行では失敗続き、駅の階段を見落として上から下まで落ちたこと、危うくホームから線路に転落しそうになった時、誰かのやさしい手がわたしの身体を支えて下さったことなど、冷や汗をかいたり嬉しかった思い出はたくさんあります。

いくら「まっすぐに進んで」と注意してもらってもその直進方向がとれないのが全盲の私達です。信号の赤青の判断は車の動きや人の動きで、ある程度判断しますが完全ではありません。自動販売機も点字表示がなければ値段や種類がわかりません。社会の皆さんの積極的なお声がけが、またやさしい手がわたしたちの命を守ってくれます。
(山本さんのことが4月21日サンケイ新聞で紹介されています)

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