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大阪市福祉教育語りの会 鈴木昭二 (15)
                                

                                   2010年5月20日
新しい道を覚える 
                         

数年前、近所の昔からの知り合いに、「しょうちゃん、ちょっとは、見えるようになったんかいな」と言われることがあった。それは、私が白杖を突いて上手に歩いていたからかもしれない。見えていたころに覚えている地域の地図を頭に描いて「自分ではこう思っている」と、白杖で一人歩きしていたからだ。

以前も私の「歩き方」をこの欄でお知らせしたことがあるが、失明の後、日本ライトハウスで歩行訓練を受け、見たこともない土地を訓練士のオリエンテーションののち、何度も歩いて慣れて覚えていったのだ。それが、このたび、新しい道順を覚えなくてはならなくなった。「私の足で20分以上」の長い道のりである。訪問マッサージに伺っていた患者が新居に引っ越したのである。そこで、にわか歩行訓練士の女房のサポートで、新しく変わった道順を往診のために歩行訓練を行うことにした。

では、私が今、独り歩きしているコースを「言葉の道案内」で紹介してみよう。最寄りの駅で下車。以前までは、車両の先頭車両に乗車した方が、改札に近かったが、今は後ろから2両目に乗ると、改札口に通じる階段がある。改札で回数券を投入して通過。ここから階段を上り、交差点まで50メートル。点字ブロックをガイドラインし、信号に着く。ここを左折。進行方向に向かって右の端を店舗の雰囲気を感じながらガイドラインする。小学校の校庭で子供たちの声を聞きながら道路の右端を歩く。所々に通路がある。これは、側溝をまたぎ民家の玄関に続く。雨が降った翌日など水の流れる音はランドマークになっている。小学校を100メートルほど過ぎると左側にコンビニの「サンクス」がある。ここには、商品を冷やすための冷凍庫があり、コンプレッサー音が大きく鳴っている。この横には自転車置き場がある。これを、過ぎたら左折。ちょっと坂道がきつい。やはり、ここも右側を歩き、二つ目の道を右折。曲がった後は、左側を歩く。数10メートルで今度は左折。もうここは小高い丘のほぼ頂上。左の溝をガイドライン。溝が切れた処で右を向くとそこに大きな目的のマンションがある。入口のドアに近づくと自動的にドアは開く。そのまま進むと、呼び出し用のテンキーに部屋番号を押す。返事と同時にドアの開閉ボタンが押され、電子音と共に左右にドアが開く。


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