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★☆★ 書く力、書く参加!
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★          市民ライター通信
☆ 2010.3.20
--------------- http://f-ts.bb4u.ne.jp/~writer/  ★ 第78号★☆★
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■まいど おおきに!■
 個人でブログを持っている人、本当に多いのにビックリしますね。日本語ブログが世界シェアの一位を占めるほどになっているようですが、個人が日記代りに開いているのがほとんどです。しかし、中には本当にキラッと光っているものもあります。そこで、今号から新コーナー「おススメブログ」がスタートします。書き手は編集委員が主になりそうですが、是非とも紹介したいブログがある方は、ご投稿ください。お待ちしています。

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【1】みどりを友だちに! (8)
    ヨモギ団子のうすみどり  …………………………… かざりえみこ
【2】オバチャマは市民ライター (42)
    頑張って!女性国会議員さん! ……………………… オバチャマ
【3】自分史「大阪ベイエリア」(16) 大正区編 
    298点  ………………………………………………… トミ〜さん
【4】チョットかがく(16)
    健康食品あれこれ(3)−−仕分け−−  ………………… OHE
【5】おススメブログ
    「団塊世代&ビートルズ世代のための 
    楽しく学ぶ「ブログ de 自分史」講座  …………………  konkon
【6】福祉教育語りの会
    工夫と勇気 …………………………………………… 鈴木 昭二
    盲導犬と小学生 ………………………………… 宇根山 千恵子
【7】爺婆(MTFトランスジェンダー)のつぶやき (5)
【8】投稿  固有の生成  …………………………………… 井上 達也
【9】問う病記:「悪友・岩ちゃんとの経緯」(4)……… G・フレンド
【10】からだを散歩すると(13)
    鼻  …………………………………………………… 竹藪 耶桁
【11】編集後記


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■【1】みどりを友だちに! (8) ☆彡
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                ◆ ヨモギ団子のうすみどり ◆
                              
                                        かざりえみこ

春。いよいよ草木の新芽が最高に美しい季節ですね。中でもヨモギの勢いよく出てきた灰緑色が食欲をそそります。薄い衣をつけた新芽の天ぷらや、草団子にと……。ひな祭りに供える菱餅は、雪の白色に、若葉の色と桃の花の色をあらわします。子どもの頃、雪がちらつく中で、ひな祭りのために姉や妹とせっせとヨモギを摘んだものでした。

福音館書店刊で「ばばばあちゃん」シリーズ『よもぎだんご』(さとうわきこ作、1989年初版)という人気絵本があります。元気印のばばばあちゃんが子どもたちと一緒にヨモギを摘んで団子を作って食べるという楽しい一冊です。絵本の時間にあれを読むとヨモギの香りを思い出して、年中いつでもヨモギ団子を作って食べたくなってしまいます。
 
犬の散歩をさせる人が今のようには多くなかった30年前には、近くの河川敷でヨモギを摘みましたが、今はダメ。とにかく大型犬の大型ウンチがゴロゴロ落ちているんですから、さすがの私もあそこのヨモギを摘む気にはなりません。そこで、農村に住む友人宅に遊びにいって、ヨモギを摘もうとしたところ、土に残留農薬がどっさりだからやめなさいと言われました。というわけで悲しいかな、長らく春のヨモギ団子は作っていません。

ところで、ヨモギがよい薬草であることはたいていの人がご存知でしょう。まずはお灸に使う艾(もぐさ)。繊維が長いといわれる伊吹山のヨモギが古くから有名です。乾燥させたヨモギをウスでついて、葉の裏の繊維を取りだしたものです。薬草としては春の若い芽や、育ちはじめの若株は、乾して煎じると健胃、腹痛、下痢、貧血、冷え性に効くとか。また、夏の葉を乾燥させて風呂に入れると腰痛や痔にとても効くそうです。ヨモギ茶はビタミン、ミネラル、葉緑素、アミラーゼなどの働きで健康に効果があるといわれます。また、沖縄に行くと山羊肉の臭み消しや、夏バテに効くというので料理によくヨモギを使いますね。蚊に刺されて痒いところに、ヨモギの葉っぱ一枚をよく揉んで汁を擦り込むと、不思議と痒みが止まります。これは私の体験からのお薦めです。

  風吹いて持つ手にあまる蓬(ヨモギ)かな    水原秋桜子

  俎(まないた)の蓬を刻みたるみどり      山口誓子

  かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを  
  藤原実方朝臣  後拾遺集  百人一首51

ジワーッと効く艾(もぐさ)の火と、恋に燃える秘かな思い。みごとな対比ですね。


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☆                       ★彡☆彡★彡
★【2】オバチャマは市民ライター (42)          ☆★彡
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            ■ 頑張って!女性国会議員さん! ■

                                          オバチャマ

平成21年8月、民主党の大躍進で多くの女性議員が生まれた。自民党から民主党への劇的な政権交代。衆議院議員480名、その内女性議員は54名、まだまだ1割強ではある。民主党だけでみると、議員307名のうち26名が誕生したばかりの新女性議員だ。オバチャマは、政治を変える女性の力にとっても期待していた。

政権交代から半年、あのエネルギッシュだった彼女たちはどうしているのだろう。22年の衆議院も開会し、本会議をはじめ各委員会が開かれている。どんな議題が審議され、どんな発言をしているかなとワクワクしながら審議中継を観る。質問も答弁も男性ばかり。1月、2月、3月と、本会議、予算委員会をはじめとする各委員会をインターネットの審議中継ビデオライブラリーで視聴しても、彼女たちの声も姿もほとんどみえない。委員会別に質疑応答を調べてみると、女性が一度も発言していない会も多い。委員会に属しているはずの彼女たち、一体どこで何を……。

各委員会の名簿を調べてみた。民主党女性議員一期生26名のほとんどが委員会に属し、いくつも兼務しているひともいる。衆議院の各委員会の女性数はとても偏っている。例えば、政治の根幹を握る予算委員会50名中、女性はたった3名、民主党1期生の中林美恵子、自民の小池百合子、社民の阿部知子。安全保障委員会30名中たったひとり、民主の小林千代美。財務金融委員会40名中には下条みつただひとり。こんな孤立した状態でちゃんと発言の機会はあるのか、女性の声を反映できるのかと不安になる。

国家基本政策委員会、経済産業委員会、法務委員会、総務委員会、決算行政監視委員会、国土交通委員会、拉致問題、懲罰委員会などなど……どこも女性は1〜3人程度。比較的、女性が目につくのは、環境、青少年問題、消費者問題、厚生労働委員会。何となく性差を感じてしまうのはオバチャマだけだろうか。

さらに国会には質の問題もあった。平成22年1月29日付の日経新聞にこんなタイトルの記事があった。――国会も「学級崩壊」?下品なヤジ/ 携帯熱中/嫌がらせ――
携帯をいじり、私語や不規則発言を平気でする議員たち。閣僚もひどい。あくびをする亀井氏、腹をたててポケットに手を突っ込んだまま答弁する前原氏、途中退席して喫煙に行く千葉氏、民主党の女性議員のヤジに「うるせえババア」とどなる自民党議員などなど。

信じられない質の低さ。国会の審議中継はネットで配信されている。恥ずかしくないのか。目に余る議員は辞めさせるべきじゃないだろうか。国会議員に支払われる歳費(税金)は月額約120万円、他に文書通信交通滞在費が月額100万円支給されるそうだ。こんな低級な議員、閣僚に払う必要はない。欠席も目立つ。国会会期中に地元で選挙応援などしていたら、それは国民への裏切りといっていいんじゃないの。選挙の神様(?)小沢さん、まさか新女性議員たちに、「地元に帰って参院選の応援しろ」なんて言ってませんよね。国民は、次の選挙のために一票投じたわけじゃないのだから。

一番憂えるのは、こんな国会・政治の場に身を置いた若い議員の失望。朱に交わって紅くなるおそれもある。国会議員も閣僚も毅然とした態度で政治を執行して欲しい。「国会の政治主導」「官僚に閣僚の答弁は作らせない」と偉そうなことを言っても、実態は資料集と名前を変えただけと揶揄されている。誠実な政治家はどこに……。オバチャマは、25歳の元国会議員、原よう子さんを応援していた。若い彼女の国会にのぞむ姿勢は真摯で誠実で真剣だった。若くて可愛かったことが災いしたのか、再選できなかったのが本当に悔しい。ガンバレ!女性議員!政治を変えられるのは女性でしょう。


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■【3】自分史「大阪ベイエリア」(16) 大正区編
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                    〜 298点 〜
                                         トミ〜さん

自分は仕事が苦にならない性分である。別にこれと言った趣味はないので、「仕事」が趣味と言えるぐらいガムシャラに働いた。そんな自分が当時"はやり"のボーリング場で働くなど、家族も信じられなかった。昭和45年頃からボーリングは手軽なスポーツとして大流行した。スポーツの経験は高校時代の陸上部のみ、それも走るのが早いからでなく、人並みに走るために入部したものである。

現在はボーリングのテレビ放映などほとんどないが、当時は一日に何本も放映していた。中山律子、須田加代子、石井利枝、並木恵美子など、女子プロボーラーが一世を風靡した時代である。この時代は猫も杓子もボーリング場にきたものだ。どこのボーリング場も1時間や2時間の待ち時間はざらであった。

ボーリング場ではレーンメンテナンスを担当していた。お客様に楽しくゲームをしていただくため、レーンコンディションをたえず一定に保つ仕事である。閉店後の2時間が忙しいが、営業中はレーンの清掃時間は決まっていた。そのため営業中のほとんどの時間はインストラクターをすることになった。ボーリングはテレビで見たことはあるが、ゲームを行ったことはない。そんな自分がお客様にボーリングを教えることになったのである。

お客様に投げ方を教え、楽しくゲームをしてもらうことがインストラクターの仕事であった。知識はもちろんのこと、自分もそのためには、毎日の練習が必須条件である。夜中にはピンを立てずに練習もした。自慢じゃないが、私は試合で1ゲーム298点(300点満点)を出したことがある。もちろん3ゲームトータルの試合でぶっちぎりの優勝であった。並木恵美子プロとも試合し勝利したこともある。

ボーリング場は同年代の従業員が多く楽しい職場であった。自分はファッションや身だしなみに無頓着だったので、同僚の派手な服装などに最初は面食らった。ボーリング場の給料は、給食会社より1万円以上も高かった。はじめての給料日には、あまりにも多い給料にびっくりし、会社へ問い返したものだ。ボーリングに熱中したこの時代がなければ今の自分はない。大好きな街「大阪ベイエリア」。


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■【4】チョットかがく(16)         ☆彡
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        ■ 健康食品あれこれ(3) −−仕分け−− ■
                                           OHE

政府は事業仕分けで国の事業について、必要性があるか、国がやるべき仕事かなどをチェックし、僅かではあるが結果を出している。健康食品についても、同じように、摂取している健康食品が健康やダイエットあるいは美容のために本当に有効かを検証して、仕分けすることをおすすめする。

まず、期待される効果が科学的な根拠に基づいて調べられているかである。効果を調べるための実験は、対象としてヒトを用い、論理的で合理的な実験系で証明されていなければならず、その結果は国内外の学会誌で発表されていることが必須である。ヒトを用いた実験は、コスト的に行いづらいが、科学的根拠としては最も必要なものと考えられている。ヒト以外のマウスやラットなど他の生物で、あるいはヒトなどの細胞を用いた実験では、その結果はヒトでの効果を証明したことにはならない。

健康食品の効果について「専門家」「博士」「研究者」が語っている、あるいは特許取得や学会での発表などは、科学的根拠とはなり得ない。学会誌での発表は、その内容が"その学会誌"の水準に達しているか審査されているので、一応、信頼できる情報である。しかし、専門家の目で見れば実験方法や結果の解釈について、問題ありと思われるものも少なくない。このことを専門外の人が判断するのは極めて困難である。大多数の摂取者は、たとえば厚生労働省の"「健康食品」の安全性・有効性情報"や信頼できる専門家の解説等を参考にするしかない。

健康食品の目的の1つは生体内では生産できない栄養成分の補給である。生存に必要な多くの成分は摂取した食品を原料として生体内で作られるが、生体では作られないものもある。たとえばビタミンやミネラルあるいは必須アミノ酸や必須脂肪酸は栄養分として摂取しなければならない。これらは、ひとつでも欠けると病気になったり、成長に障害が出たりする。通常の食生活をしていれば、ほぼ満たされることは、太古より人類が生存していることで証明されている。しかし、現代の日本人はカルシウムや鉄などが不足気味と言われている。偏食がひどい場合にはビタミン類の欠乏症を発症することがある。解決には食生活の改善か適切なサプリメントで補うしかない。ほとんどの必須栄養素について生体での機能や必要量について科学的根拠が示されており、摂取はそれらに従って行えばよい。

栄養成分の抑制のための健康食品もある。食事の過剰摂取による肥満などの生活習慣病を気にする人が多い。一方おいしいものを食べたいのが一般人の心情である。その対策として、体内で中性脂肪になりにくいと言われる"食用油"や小腸からブドウ糖の吸収スピードを緩やかにすると考えられている"難消化性デキストリン"、あるいは消化管内でコレステロールや胆汁酸と結合してそれらの血液への吸収を低減させる、ある種の"たんぱく質や糖質" などが健康食品として摂取されている。これらの健康食品の中には、効果がヒトを対象とした実験で調べられているものもあるが、必ずしも万人に効くものではなく、過度の期待は禁物である。

身体の調子を整える健康食品がある。血管を収縮する機能をもつ調節因子の生産を低下させ、血圧を下げる効果があるとされる、ある種の"ペプチド"や"茶の成分"が含まれるもの、"乳酸菌"を含む食品はおなかの調子を整えると言われており、虫歯菌の栄養源にならない"甘味料"を配合した食品も虫歯の原因になりにくい健康食品として売られている。

α-リポ酸、L-シトルリン、コエンザイムQ10など、少し前までは医薬品であったもの、あるいは今でも医薬成分として使用されているもので、今は食品での使用が認可され、健康食品として話題になっているものがある。この種の健康食品の1部は、薬品として開発されていた頃の研究を根拠に多くの効果を謳っている、しかし、食品として検証しなおす必要があると思われる。また摂取者はこの種の食品が医薬品の成分としても使用されていることから、過度の効果を期待することもある。しかし、医薬品と食品では製造法や管理法が違い、純度や使用法も異なるので、注意しなければならない。医薬品的な何らかの効果があるということは、摂取方法によっては期待しない効果(有害作用)が発現する可能性も考えなければならない。


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■【5】 おススメブログ  ☆彡
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          「団塊世代&ビートルズ世代のための 
          楽しく学ぶ「ブログ de 自分史」講座
          http://blog-jibunshi.seesaa.net/
                                         konkon

グーグルで、「自分史」を検索すると、約5,430,000 件、ヤフーでもほぼ同数のヒット数があるという。若い頃に自分史に興味がなかった人が、60歳をむかえて自分をふりかえり、自分の生きてきた証を残したいと思っても、漠然としたイメージがあるだけでは、どうしていいのかわからない。お金を払ってまで教室に通うのも……。そんな人にうってつけのブログがこれ。

タイトルもそのものズバリ。団塊世代&ビートルズ世代のための楽しく学ぶ「ブログ de 自分史」講座。著者はプロのライター。講座もたくさん手がけてきたというだけに懇切丁寧でわかりやすい。このブログの目的が「自分史を書くことの意味と思想、そして書くことについてのスキルの向上、さらにブログやメールマガジンで自分史を紡ぐための具体的なノウハウを身につけてもらいます」なのだから、分かりやすく使いやすいのも当然といえば当然か。タイトルから内容を紹介してみると、

自分史を書く意味
ライフワークの発見
自分発のメディアで生きがい作りと自己実現
「企画」と「編集」ですべてが決まる
メールマガジンとブログで自分発メディア
Dジェネレーションへの期待
自分史のさきがけ「ふだん記」
自分史の書き方(1)(2)(3)
自分史は「エピソード主義」で行こう!

さらに、順序立てて具体的な方法が書いてある。
「自分史年表」を作成するとか、データの収集とかいろいろ。

記憶の明確なところ、書いていて楽しいことなどからまず書き始めるとよいという。参考として書き綴る実践編、著者自身の自分史が続く。それが流石に面白いのだ。「自分にとって当たり前のこと、何の新鮮味もないことがひょっとしたら他人にとって大変面白いことなのかもしれない」この著者のことばが背中を押してくれる。 2月4日に始まったばかり、まだできたてほやほやのこのブログ。読みながらトライしてみれば、このブログと一緒に自分史が書きあがっていくかもしれない。そんな期待が嬉しい。


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■【6】福祉教育語りの会 ☆彡

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(1)  工夫と勇気    鈴木昭二(全盲)
(2)  盲導犬と小学生  宇根山千恵子

                  ◆ 工夫と勇気 ◆

                            大阪市福祉教育語りの会*
                                 鈴木昭二(全盲)

 昭和50年1月、日本ライトハウスで、歩行訓練・点字学習・日常生活の身辺処理などリハビリを1年間受けた。失明から1年後のことだった。そこではいろいろな原因で失明した方、生活環境の異なる方などに出会った。私と同い年で、工場のコンプレッサーが爆発したために、失明し、右腕が完全マヒになったN君。中途で失明した全聾のAさん。この二人から私は生きる《工夫と勇気》を教えてもらった。

 ある日先輩のN君と親しくなった私は、N君に寮から一番近い銭湯へ連れて行ってもらった。右腕はマヒのため三角巾を首からつるしているが、器用に服を脱いだ。マヒした腕を三角巾でつるされた肩につかまり湯ぶねについて行く。かけ湯をし、湯船につかる。さて、これからどのようにして体を洗い石鹸のついたタオルをどのようにして絞るか考えていた。そんな私をしりめにさっさと石鹸のついたタオルを洗い流し、タオルを絞り終えた。不思議に想った私は「片手でどうしてタオルを絞ったの?」と訪ねてみた。彼は事もなげに「蛇口にタオルを巻きつければ、片手でも絞れるよ」と答えた。それまで目が見えないことは、何にも出来ないこと。まして片腕が動かないことはそれ以上のことであり、自分では想像できなかったことである。N君は大きな「気づき」を与えてくれた。全く光のない人の一人歩きなどできないことと思い込んでいたが、歩行訓練をはじめとして、多くの「工夫」や訓練により「できること」が意外に多いんだなと感じた。

 全盲全聾のAさんからは歩く「勇気」を教えられた。
Aさんは18歳で聴力を失い、28歳で全盲となった。私と出会ったころは、ライトハウスの寮から一人で歩いて、パン屋さんへおやつを買いに行けるようになったという。一度だけAさんと話したことがあった。Aさんの手のひらに「こ・ん・に・ち・は・す・ず・き・で・す」とひらがなで書くと、一字一字を声に出しながら読み上げた。視覚聴覚を失ったAさんは触覚でコミニケーションをとっていた。

こんな私でも、ライトハウスに入所8ヶ月後には寮を出て、1時間半かけての通所ができるまでになっていた。ライトハウスでは視覚障害者でも「《生きていける》自信と《自分らしさ》を取り戻すことができた。


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                ◆ 盲導犬と小学生 ◆

                          福祉教育語りの会 宇根山千恵子

福祉教育語りの会から、2月4日に大阪市内の小学校にお話に行きました。お客さまは小学校3年生です。みなさん、とても真剣に私の話を聞いてくれて、たくさんの質問をいただきました。その内容と、私の答えを紹介いたします。

質問 なぜ、盲導犬には英語で命令をするのですか?
答え 日本語では、男ことばと女ことばがあります。立て・立ちなさい・お立ちなど。これでは、パートナー(盲導犬のことです)は戸惑いますね。英語で「シィット」の方がわかりやすいと思いませんか?  でも私は何年も一緒にいるので、もう日本語で言っても分かりますよ。

質問 なぜ盲導犬には小さい犬がないのですか?
答え 小さい犬は困るんですよ。ハーネスをつけて導くには大きくておとなしくて、毛の抜けにくい犬がいいんです。

質問 盲導犬の種類は?
答え ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーとミックスラブラドールとゴールデンのミックスです。

質問 盲導犬は 何歳からなりますか?
答え 生まれて二ヶ月からパピーウォカーに預けられて一年したら訓練所に帰り、指導員から盲導犬としての訓練を受けます。1年半くらいから盲導犬になります。まだ若葉マークのあいだは上手に歩けません。犬と利用者とで毎日歩く事で、上手に歩けるようになります。1年から半年かかります。

質問 盲導犬の出来ること、出来ないことは?
答え 出来ることはまっすぐ歩けることです。それから障害物をよけること、段差でとまることなどです。出来ないことは、まわりのみんなの様子を声に出して言えないこと、電車の切符が買えないことなどがありますね。

質問 えさはどのくらいやって居ますか? えさ以外に何かやって居ますか?
答え ドッグフードです。1日に食べさせる量は、マグカップ一杯です。

質問 私たちが盲導犬と利用者とが歩いて居るのを見た時は、どんなお手伝いをしたら良いですか?
答え 盲導犬は、電車の空席や信号の色がわかりません。まわりの空気で察しますが、まわりに人がいない時には困ります。盲導犬と利用者を見たら様子を見て困った様子なら声を掛けてください教えてもらえば助かります。私の盲導犬ルーシーは恐がりなので固まります。そこで体に触れて優しく「大丈夫よ」と声を掛けています。

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*《福祉教育語りの会とは》

障害者が、小・中学校及び高校などあらゆる場所で、受障の体験を話したり、どのようにして再出発したかを《語る》ことは、「子供たちに障害の理解と《生きる力》と《思いやる心》」を育てるきっかけになると考えています。社会にはいろいろな人がいて、それぞれの存在を認め会って生きていることを知るきっかけにしてほしいと願っています。
このような「思い」から「福祉教育語りの会」は設立されました。


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◆【7】爺婆(MTFトランスジェンダー)のつぶやき (5)
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                                           有明弥

面白い本があります。入江敦彦著「ゲイ*マネーが英国経済を支える!?」洋用泉社新書です。同性愛者が使うお金「ピンクポンド」について書かれた本で、エコノミー誌などに取り上げられています。ピンクポンドはかなりの額になり、それを獲得しようと一流の広告代理店とか、リサーチのプロががんばっているようです。詳しくは読んでください。

私が面白いと思ったのはお金のことではなく、お金が動くとそこに人が集まる、注目されることです。ということは、お金だけではなく、セクシャルマイノリティーの人が動き、社会に対して発言力を持てば、凄い力になるのではないかということです。今は自分達の立場や生活向上の運動は盛んに行われていますが、カミングアウトしないで、生活している人も多くいます。その状況では、辛い時があると感じます。

何気ない一言で傷つくこともあります。例えば「結婚しているの?」とか、「アイドルでどの子が好き?」など単なるコミュニケイションのつもりであったとしても、そのことがきっかけで、心閉ざしてしまい、孤独になっていくケースもあります。カミングアウトしていないとか、外見だけで分かることができないので、どうしようもないこともありますが、生活がそれでお終いでは寂しいと思いませんか。

私も会社では孤独です。一日にかわす言葉は、仕事に必要な事柄だけです。いつも仕事が終わると、ホットしたような、空しいような、言いきれない寂しさが込み上げてきます。こんな思いをしなければならないのであれば、本当の自分を表現したい、そして自由に生きたいって思います。しかし、そこにはまだ壁があり、それを壊すことはとても困難なのです。

私と同じような思いをしているセクシャルマイノリティーは、沢山います。それでも、がんばって生きているのです。今は冒頭でも書いたように、ある程度は自由に生きられる範囲が広がり、社会の一員として注目もされてきているのだと思います。

でもこれが問題でもあるんです。マイノリティのコミュニティがしっかりしてくると、そこが居心地いいので、そこから出ようとはしなくなるのです。そこでは普段できない生活があるので、それに満足してかえってコミュニティ以外での生活は我慢する構図ができあがってしまいます。自分たちのコミュニティを作ることを批判するつもりもなく、いいことだと思いますが、これからのことを考えると、彼らがそこで立ち止まっていては、いつまでたっても現状の矛盾は解決しないと思っています。

私は、日々の暮らしのなかで、マイノリティのことを理解して欲しいのではなく、認めて欲しいと思っています。その為に私になにができるのか、なにをすればいいのかを考えています。この私を社会に対して見せていくことも一つの方法で、見せていける範囲を広げていきたいと思っています。


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▼【8】投稿  固有の生成             ☆彡
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                                         井上達也

知りたいと思う。分かりたいと思う。できるだけ早く、すぐにでも・・・。場を外してからの合点は悔しいからできるだけ避けたい。けれど、どうしても時間が必要なこともある。瞬時に知り得たとして、または結果が事前に分かったとして、それはどれほどの優位性があるだろう。けれども確かに、場を外しては無意味になることが多いといえる。人間の関係が成就するには確かな、熟成する十分な時間が必要であり、それは過多過少の狭間にあるものだ。それを統合した概念が場の時間といえる。人間の地上の時間を遡れば遡るほど、時間と人間の場の一体性の密度はあった。例えば、物語の誕生はそれが乖離し始めた瞬間だったのだろう。爾来、場の時間を引きずり、追い求めるようになって人間の関係の歴史ができてきた。

場との一体性を求めるのは原理だろう。異性を求め懸想する。エデンの園や青い鳥を求め彷徨する。さて、欲望のことだ。原理に適ってはいるが実現を急ぎ過激になると、彼がどんなに原理だとか法則だとかと唱えても尋常な気がしないし、ホルモンの分泌が過剰になり代謝が亢進して熱を帯びているようにさえ思えるのは、こちらが原始的だからだろうか。彼がさらに神通力などと口に出すとなると、羨望というよりも同情してしまうのだが、それは彼が場から遅れがちだからなのだと了解したい。

もちろん、その場その場に合った空間の広がりと時間の流れがあるだろう。彼の寄留する場の状況というものがあるはずだ。でき得ればそれを調教し乗りこなせていければいいものだが、乖離は進むかもしれない。状況によって彼のほうが分身を産出するということで。彼の得意不得意によって落馬もすれば駆け抜けもする。いずれも彼だ。そして分身はすべて彼ひとりの元に回帰するものだ。この分身するそれぞれの瞬間はすべて連関し、まるで動画のようになって弧を描き、観測者たちにあるいは自身に分析の機会を与えてくれるものだ。

まつげをくすぐる微風が、岩塊を埋めつくした積雪の雪崩を打って押し寄せる気配を知らせるとは、登山家の場に馴染んだ累積する時間によることだけではなく、やはり特定の登山家の固有の神経に生体電気が走るのだと思われる。その特異な触感がどれほど彼の人生に富をもたらすというのだろうか。けれどその神経の過敏さを道楽と一笑に付していいものだろうか。

場とは鉄火の迸るところである。神経とその剥き出した敏感さと覚醒と骨と血と肉の坩堝である。魂、と昔の人が叫んだものは、それらに加えて地球の命の端末が接しているはずだ。個別の生命体がその場の他の生命体たちと感応しあい、そして地球の血潮にまみれ、それは彼を生かす仕組みになるのだ。仮に仕組みが統制されない場合、キャンサーと看做されて忌み嫌われる。生命を作り出す力、時には失敗作ができてもおかしくはないが、そのリスクを懼れることなくそれを抱える覚悟も抱いて常時、魂は代謝を繰り返す。

場において死ぬときとは、生命体の死の前に、生命体の固有性が主張をやめて鈍化するときだ。翻っていえば、固有のものが普遍性を抱き始めるときには活性化を始め、一瞬でも普遍性を獲得したという確信があったときにそれは誕生するといえる。けれど同時に群類に嫉妬され嫌悪されて、時にはほほを張られ、毒杯を差し出され、死の行程を準備されるものである。


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■【9】 問う病記:「悪友・岩ちゃんとの経緯」(4)
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2009年11月25日から始まった化学療法は、10年3月8日に第3クール(1クールは3週間の投薬と2週間の休薬期間)が終了し、その効果測定のための胃カメラ検査とCTスキャンを行なったあと、本日(3月18日)の午前中に担当医の診断(…と言っても身体に触れるわけではなく、パソコン画面の患部の写真を見ながら)があった。

結果的には、3剤(注射剤「シスプラチン」あるいは「5−フルオロウラシル(5−FU)」を含む化学療法+後者の作用を高めるための飲み薬「ティーエスワン」)の投薬が"理想的"なほど効いており、胃がんは徐々に小さくなっている。だが、リンパ節とその周辺への浸潤があり、その部分の変化があまりない、ということだった。

「がん」という病気は、その広がり方により、次の3段階に分けられる。
  1. 腫瘍が発生した組織(原発部位)に留まっている、初期または限局性の時期。
  2. 転移はしても局所リンパ節のみ、または近くの組織だけに連続的に浸潤している時期。
  3. 癌細胞が、原発部位から血液やリンパ系を経て離れた部位に拡散する転移期。
    (『ブリタニカ国際大百科事典』参照)
ぼくの悪友・岩ちゃんは、これまでの検査では、あまり悪さをせず殊勝にも第2段階にとどまっているらしく、一応、「肺や肝臓への転移はないように見える」とのことだった。しかし念のために、他臓器へ転移の有無について詳しい検査を来週(3月26日)することになった。これはちょっとしたスリルである。なぜなら、転移があるかないかによってその後の治療にも大きく影響するから
だ。

結果は次回にお伝えするとして、抗がん剤の副作用の現状について若干報告して、今回の「問う病記」を締め括ろう。

第3クールが終わって、1週目の休薬期間中、1日だけものすごく全身の倦怠感が強くなり、食欲が全く湧かず、ずっと寝ていた日があった。抗がん剤というのは、がんにも効く代わり、正常な細胞にも影響を与え、投薬治療が進むほどに薬が細胞に蓄積されてくる。だから、「今まで以上に副作用が出るかも……」と、担当医からさりげなく警告されていた。「いよいよ来たか」と警戒したが、まあまだ我慢できる範囲ではある……。

ただ、脱毛はかなり激しく、まだ丸坊主までは行かないが、頭髪が相当薄くなってきたことは確かである。面白いことに、頭髪だけでなく、眉毛や鼻毛・耳毛、ヒゲ、全身の体毛、そして陰毛まで薄くなってきた(苦笑)。ぼくは人からよく「髪が多くていいね」とか「眉毛がくっきりと形が良い」などと言われていたので、その点は残念だが、鼻毛と耳毛が伸びないのは唯一、抗がん剤の副作用の利点である。鼻毛と耳毛はほっておくとすぐ伸びて、家人からよく「爺むさい」とレッドカードを出されていた。その点は大いに助かっているのだが、でも実際にジジイだからさ……。
                                     (つづく)


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■【10】からだを散歩すると (13) ☆彡
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               ■ 鼻 ■
                            竹藪 耶桁

美しく咲いた花壇を前に、友だちが言いました。
「わたし、チューリップきらいよ」
「どうして?」と私。
「だって、『ハナの下が長い』から」ですって。
『鼻毛が長い』ともいい、女にうつつを抜かすさま、なんですね。
そんな人は鼻であしらえばいいわ。
「鼻に付く」、「鼻にかける」など、鼻はあまり良い意味では
使われないのはどうしてなんでしょう?
人間は二足歩行で鼻が体の上方にありますが、四足歩行の動物、
たとえば犬も猫も体の一番はしにあるのが、先端の『ハナ』。
端は鼻と同じことなんですって。
それにしても、チューリップにはとんでもない濡れ衣・・・。
私は、春のチューリップが大好きです。


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★【11】 編集後記                     ★☆★
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神奈川県では公共的施設における受動喫煙防止条例が4月から施行される。また、県内の海水浴場を原則禁煙とする条例も、今夏から施行されることで最近話題になった。私としては個人の嗜好がそこまで規制されるのは、いかがなものかと思う。しかし、飲食の場で禁煙をいくらお願いしても、まったく耳を貸さない信じられない人がいる。結局のところ、様々な規制は自分たちが招いている結果なんだろう。(スー)
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